オクモトは、お米を通じて・楽しさ、喜び・満足を
創造していきたいと考えています。
米穀の集荷・販売を手掛ける(株)オクモト(尾道市東尾道11-9、奥本浩之社長)は7月、(有)ノースライス(北海道余市郡余市町美園町269)を100%子会社化し、膳グループに組み込んだ。
同社は、北海道、東北、広島を結ぶ米の集荷ネットワークを強化し、国内外における米の安定供給と品質保持を目指す。
23年産の米は、一部産地での高温障害やインバウンド需要の高まりなどにより、品薄状態が続いており、小売価格の上昇や店頭から米が消える状況が発生している。こうした状況に対応するため、同社は、北海道や東北地方での集荷体制を強化する。
膳グループは、(株)オクモトを中心に、ライズみちのく販売(株)(岩手県)、(有)ハーモニーフーズ(秋田県)、(株)膳ファーム(秋田県)、(株)ゼン・ロジネット(広島県)など、米の集荷・保管・精米・卸・小売を行う流通グループ。この度、(有)ノースライスをグループに組み込むことで、北海道産米の集荷・販売体制がさらに強化され、広域的なリスク分散を実現し、安定供給が可能となる。
(有)ノースライスがある北海道余市郡余市町は、日本のウイスキーの父と呼ばれる竹鶴政孝氏が理想郷として蒸留所を開設した土地として有名。余市は北に日本海を臨み、三方を山に囲まれた土地で、冬の間に標高約1500mの余市岳を始めとする山々に降り積もった雪が、春の訪れとともに雪解け水となって余市川に注ぎ込む。この豊かで綺麗な水と寒暖差の大きい気候は、米作りにも最適な地。
米の安定供給のためには、産地での集荷体制、生産者とのつながりが重要であるのと同時に、年に一回しか収穫されない米を、一年を通じて品質を保持しながら保管する機能が欠かせない。膳グループではかねてより、岩手県北上市に大型倉庫を新設したり、同社の隣接地に倉庫を拡充するなど、保管体制の強化を続けてきた。さらに、倉庫の温度管理を徹底し、米の品質を落とさず、虫の発生を抑えるための設備投資も行う計画。米不足、生産者不足、気候変動などへの対応力、抵抗力を高め、より高い品質と安定供給を実現する。